by Mike on 17 March 2025
始める前にお知らせです。モンスターを作成し運用するための素晴らしい書籍、Forge of Foes(フォージ・オブ・フォーズ)が、Colby Elliot(コルビー・エリオット)の朗読によるオーディオブック版として登場しました! コルビーは他のSly Flourish(スライ・フローリッシュ)の書籍も朗読しており、どれも素晴らしい出来栄えです。ぜひ、Forge of FoesのAudible版をチェックしてみてください!
プレイヤーが担う「役割」という概念
古き良き時代のD&Dにルーツを持つゲーム──いわゆる「OSR(Old School Revival / Old School Renaissance)」と呼ばれるゲーム──では、当時の伝統的なアイデアがしばしば再登場します。そのひとつが「プレイヤーの役割(player roles)」です。これは、自分のキャラクターを演じることに加えて、ゲームの進行に関わる特定の役割をプレイヤーが担うという考え方です。
これらの役割──書記(scribe)、地図係(cartographer)、補給係(quartermaster)、代表発言者(caller)──は、ゲームマスター(GM)にもプレイヤーにも、そしてゲーム全体にも大きな恩恵をもたらします。最近のOSR系ゲームではこれらの役割が再び重視されており、特にファンタジーRPGDolmenwoodにおいて非常にうまく整理されています。
ラジーダンジョンマスターにとっての優れたツールと同様に、プレイヤーに役割を与えることには多くの目的があります。
書記はゲーム中の公式な記録係であり、これらの記録を他のプレイヤーやGMと共有することが求められます。ゲームの出来事を記録することで、書記自身のゲームへの関与が深まるのはもちろん(この後に紹介する他の役割も同様です)、ゲーム全体に「重み」や「現実感」が生まれます。出来事が記録されることで、「本当に起こったこと」のように感じられるのです。
この記録は、GMにとっても助けになります。物語がどこに向かっているのか、プレイヤーたちが何に注目したのかを思い出す手がかりになるのです。そしてキャンペーンの最後には、記録が一つの「物語」として残り、プレイヤー全員にとっての貴重な思い出になります。
記録の共有方法は、NotionノートやGoogleドキュメントのような共有ファイル、あるいはメールでもかまいません。手書きのメモも写真に撮って送れば十分です。理想としては、すべてのプレイヤーとGMがその記録を手元に持ち、キャンペーン全体の記録を共有できる状態にしておくと良いでしょう。
ダンジョンを探索しながら、その構造を描いていくことは、グループがゲームの出来事にしっかりと関わるための助けになります。プレイヤーが「どこを通ってきたのか」「どこをまだ探索していないのか」を把握できるようになることで、本当の意味でダンジョンを「探索する」体験が生まれます。ダンジョンのマップを描くことで、その仕組みや構造を理解する手がかりにもなるのです。
もちろん、プレイヤーが描いたマップとGMが用意した本来のマップが一致しないこともありますが、それでまったく問題ありません。絵が上手である必要もなく、棒や箱で描いた簡単な図で十分です。
バーチャル・テーブルトップ(VTT)を使っている場合は、マッピングの必要性は減るかもしれません。しかし、対面セッションや、部屋のスクリーンショットだけが共有されるような形式では、プレイヤー自身が描いた地図が、パーティ全体の空間認識を助ける大きな助けとなります。
誰が戦利品を記録していますか? 金貨の分配はどうなっていますか? あの重要な魔法のアイテム、どこに行ったんだっけ?──こうした問題に答えるのが補給係の役目です。
補給係はすべての戦利品を記録し、それが誰に渡ったのかを管理します。場合によっては複式簿記のように、「取得したアイテム」と「配分先キャラクター」の両方を記録してもよいでしょう。補給係がいないと、アイテムの所在はすぐにあやふやになってしまいます。そして補給係がいたとしても、プレイヤー各自が自分の持ち物を把握することも大事です──これが複式簿記の「もう片方」の側面です。
この役割に関する「成果物」──つまり戦利品リスト──も、他と同様にグループで共有するのが望ましいです。Googleドライブのスプレッドシートで管理すると便利ですが、デジタルのメモでも手書きのノートでも構いません。「日付」「アイテムの内容」「誰に渡ったか」を記録しましょう。また補給係には、定期的に「未配分のアイテム」を全体にリマインドしてもらい、自分のキャラクターが欲しいものを思い出す機会を作ってもらいましょう。
この「代表発言者」は、筆者にとっても新しい役割です。この役割は、グループの意思決定を取りまとめて、最終的な選択をGMに伝えることです。プレイヤー全体の意見をまとめる「調整役」として、意見を聞き、投票をとり、意見の違いを調整し、最終的な結論を出す──そんな進行係のような役割です。
この役割は、他のどの役割よりも「調整力」が求められます。プレイヤーとしての感情を尊重しつつ、ゲーム内でキャラクターたちに何が起こっているかを理解するバランス感覚が必要です。繊細な役割なので、誰かに任せる前に、どんなスキルが求められるかをしっかり話し合うと良いでしょう。
人との関わりに重きを置くポジションではありますが、適切な人に任せれば非常に強力な役割となります。
これらの役割をプレイヤーに任せることには、たくさんのメリットがあります。いずれの役割も、ゲーム内で起こっている出来事を「形あるもの」にし、世界とプレイヤーをしっかり結びつけます。そして、プレイヤーがただ受け身でゲームをするのではなく、能動的に関わるきっかけにもなります。役割を持つことで、他のプレイヤーに対する責任感も生まれます。
現代のように注意をそらすものが多い時代において、プレイヤーに役割を割り当てることは、彼らをゲームに集中させ、没入させる素晴らしい手段となります。
キャンペーンの途中で「セッション・ゼロ」を設け、これらの役割について話し合ってみてください。そうすることで、今後のゲームがもっと楽しく、実りあるものになるでしょう。
私は毎週、卓上RPGのあらゆることについて語る「ラジーRPGトークショー」(ポッドキャストでも視聴可能)のエピソードを録音している。
先週のトピックとYouTube動画へのタイムスタンプ付きリンクはこちら。
以下は、トークショー中に私が参照したサイトへのリンクである。
またトークショーでは、Sly Flourishのパトロンからの質問に答えている。先週の質問と回答はこちら。
先週は、「キャラクターについて語る二人の山賊」と「The Sunless Stream - Dragon Empire Prep Session 16」のYouTube動画もいくつか投稿した。
毎週、私は前回のRPGセッションで学んだことを考え、RPGのヒントとして書き上げている。今週のヒントはこれだ:
質問がある、または私に連絡したい?Sly Flourishのよくある質問をチェックしよう。
このサイトはAmazonとDriveThruRPGへのアフィリエイトリンクを使用している。応援ありがとう!
このサイトはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 4.0 国際ライセンスの下で利用可能なマイケル・E・シェイのSlyFlourish.comの素材を含んでいます。 This work includes material taken from SlyFlourish.com by Michael E. Shea available under a Creative Commons Attribution-NonCommercial 4.0 International license.