Going There

by Mike on 30 April 2018(Originally published August 2015)

歳をとればとるほど、想像の世界に戻って本当にそこに行くことは困難になる。子供の頃は、自由に想像を膨らませることができる。段ボール箱が『氷結』の宮殿になることもある。両手を広げて咆哮し、ドラゴンになる。ベッドを宇宙船にして宇宙を飛び回る。

しかし、大人になり何十年にも渡って制度化された生活を送ることで、想像力はどこかに押しやられてしまう。私たちに残されたのは、住宅ローン、医療保険、PTAの会合などだ。私たちの想像力は、現実と大人化によって押し出されてしまうのだ。ファンタジーは子供のものだった。

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D&Dは私たちを子供に戻してくれる。D&Dは、私たちを再び作り話の世界に引き戻し、深い冒険の物語を共有させてくれる。そして、子供の頃とは違って、私たちは自分の経験を活かして、これらの物語を驚くほど鮮明で、詳細で、入り組んだものにすることができる。大人になると、想像の世界は信じられないようなものになる。

私たちはイマジネーションを両方の世界の良いものを使ってくみ上げることができる。現実の世界で現実の人々と暮らしてきた長年の経験に基づく細部と、子供のファンタジーのように豊かな想像力の両方だ。

私たちはただ、子供に戻る許可を自分に与えるだけなのだ。

D&Dをプレイするときでさえ、私たちはしばしば「想像の世界に行く」ことを恐れる。地図を書き出し、攻撃力を計算することはあっても、本当にキャラクターの心と体に入り込んでいるだろうか?キャラクターと同じようにウォーターディープの街を見ているだろうか?どんな音がするだろうか?どんな匂いがするだろうか?マジック・ミサイルを指から放つと、どんな風に見えるだろうか?

長年に渡る自分への抑制を手放すのは困難だ。私たちは何年も、しばしば何十年も、大人になれと言われるような経験をしてきた。バカにされるのが怖いのだ。D&Dのゲームで仲間に囲まれているときでさえ、自意識が強すぎるばかりに自分のキャラクターになりきることができないかもしれない。それは恐ろしいことだ。

これはD&Dの大きな暗黙の壁のひとつかもしれない。ゲームの外の人がゲームの中の人の話を聞くと、奇妙に聞こえる。これが80年代の悪魔パニックの原因だった可能性もある。悪魔でもペンタグラムでもない。D&Dをプレイしている人の声が本当に違って聞こえるのだ。私たちはしばらくの間、自分のキャラクターになりきってしまう。新しいプレイヤーをゲームに参加させるときは、我々と同じように子供に戻り、「想像の世界に行く」という奇妙さになじませるようにしたほうがいいだろう。

D&Dのルールやメカニクスに集中しすぎると、その世界に没頭するのが困難になることもある。D&Dにはたくさんのルールとたくさんのキャラクターダイヤルがあり、気をつけないとフィクションから遠ざかってしまう。これはプレイヤーだけでなく、DMにも言えることだ。ルールにしがみつきすぎ、ルールが邪魔をしてストーリーに入り込めなくなる。

どの種族が適切なスタッツに+2のボーナスを与えてくれるかということだけでなく、キャラクターが何を望んでいるのか、どこから来たのか、世界をどう見てどう反応するのかということから、一歩踏み出してキャラクターを理解しようとしなければならない。

あの衛兵の鎧のレザーストラップの傷跡はどうしてついたのだろう?大口亭のアヒルのローストはどんな味だろう?ダガーフォードの石畳の道はどんな感じだろう?

D&Dをプレイしているとき、私たちは自分自身に対して、少しの間現実世界から離れて、ゲームの中の世界を体験する許可を与えることができる。目を閉じて、DMの語りから聞こえてくるものをイメージすることができる。DMとして、私たち自身がその世界に入り込もうとする限り、プレイヤーに信じられないような豊かな世界観を構築することができる。

私たちの頭の中には、世界最高の仮想現実装置がある。私たちはそれを持って生まれた。目の前にない世界を想像できるように5000年かけて進化してきた。センター試験の点数を気にし始める頃、私たちはそれを引き出しにしまってしまう。今こそその引き出しを開け、元に戻し、ドアをくぐる時だ。

そこには、別の世界がある。

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